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2) |
勉強会、研究会、講習会の実施方法については、すでに一般に行われている方法であり、それぞれ専門的な実施方法が開発、発見されているので、ここでは特徴の紹介程度に止める。 |
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1. |
講義方法
この方法は、教育技術として非常に平易であり、一度に多くの会員を対象にすることができる。
また、会員がテーマについて特別の知識や才能を持っていない場合にも採用できる。初級のレベルの内容が適している。
しかし、会員がテーマに関心がない場合には効果は薄く、また出席者に経験的印象を与えにくい。また、会員が多数いる場合には、講義の理解能力に開きがあるため、レベルの設定が難しい等の短所がある。
これらの欠点をカバーする為には、会員に講義テーマについて簡単な予習などをさせておくとともに、講義終了後その内容について話し合うなどの方法を併せて行う、講義内容を区分して周期性をもたせる等のことが一般にとられている。
また、講師によって効果に差が出るので、担当者はテーマの内容・範囲をあらかじめ設定しておくとともに、講師の人選について慎重な選択が必要である。 |
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2. |
座談会方法
この方法を効果的に行うためには、座談会をリードする人が、すでにテーマについて充分見識を持っていることが条件となる。また、出席者全員に発言の機会を与えるとともにそれぞれの発言の時間が所定の時間内に収まるようにコントロールが必要である。 |
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3. |
会議方法
この方法には、座談会司会者の場合と同様に議長の見識と発言時間の配慮が重要となる。
また、会員にはあらかじめ討議事項を知らせ考える時間を与えておくことも必要となる。
会議の効果、出席者が互いにアイデアや経験を発表し合うのであるから、参加意識や連帯感が高揚できるし、知識の向上とも役立つことである。 |
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4. |
討議方法
この方法には、・問題を出してグループの考え方や、経験を自由に交換させて解決策を見出そうとするもの。・問題を出して、あらかじめ出ている結論にグループの討論をリ−ドして到達させようとするもの。・問題を提出してグループの独創的なアイデアを引き出すもの、等がある。
この特徴は、グループによって行われるので、グループ参加者同士に親しみが湧き、今まで消極的で発言しなかった者も自由に発言する訓練にもなる。 |
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5. |
セミナーの方法
この方法は、出席者がそれぞれ問題や質問の中から特に一つの部分を担当研究し、その結果をグループに報告する。セミナーはそれぞれの報告に時間を大量に投入するので討論も参加者全員にとって有効なものになり、議事は参加する者同士が、教えたり教えられたりしながら進行する。
セミナーの短所としては、会議に比べて時間がかかり、会場も疲労を考慮して選定することが必要なことである。 |
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6. |
一般的にはケース・スタディといわれるもので、日常実際に起こるいろいろな問題(または仮に設定された問題)を分析し、追及し、その結果解決策を立案し、処理していく能力を訓練するための方法である。したがって、事例研究は、解決の手段が参加者に役立つのではなく、質問、批判、サゼッションを受けながら、ある問題をどう考え、どう取り組んでいくかという問題解決の過程を身につけながら、より良い解決を得るところに事例研究の本質がある。
事例研究のリーダーは受動的な役割を演じ、自由な討論や研究の雰囲気をなごやかにしたり、元気付けたりして、特に解答を考えることはせず、むしろ皆の解答を整理してまとめる手助けをするのである。 |