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各支部活動報告
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奈良県
組合名
奈良支部
日時
平成20年4月12日
場所
屋久島
参加人数
7名
活動内容
平成20年度「よい戸の日」ボランティアを屋久島で行なった
活動の感想
平成20年4月19日
平成20年度 「よい戸の日」活動報告
奈良支部 平尾 和也
1.日時:平成20年4月12日(土)(登山日)
(旅程は4月11日〜13日 2泊3日)
2.参加者:
全国建具組合連合会青年部本部 会長 二村 和弘
〃 理事 三島 敬行
全国建具組合連合会青年部 近畿ブロック長 後藤 稔
〃 大阪支部 部長 川口 幸宏
〃 奈良支部 部長 吹ノ戸 勇
〃 奈良支部 副部長 平尾 和也
〃 奈良支部 会計 佐々木 靖
3.目的:平成20年度「よい戸の日」活動のため
4.内容・感想:
全国建具組合青年部の有志7名で日本最古の原生樹木といわれる縄文杉のトレッキングに挑戦した。
日頃、樹木から受けている恩恵に感謝する気持ちを確認すると共に、現地で
ゴミ拾いのボランティアを行い、それを「よい戸の日」の活動として建具組合をアピールする為である。
トレッキング当日は朝4時に起床。天候は曇。5時にホテルを出発し6時から登山開始した。
途中までは現役のトロッコ線が敷設してあり、足場も良好で調子良く歩けたが、トロッコ線が終わると、倒木と岩が飛び出し、木の根がのたうちまわるかなり急な道に変化し、突然呼吸が乱れだした。
序盤は小康状態だった天候も徐々に崩れだし、にわかに困難な行程を予感させはじめた。そんな我々の気持ちをほぐし、勇気付けてくれたのは、言うまでもなく屋久島の自然達であった。
想像を絶する切り株の大きさや、原生する草木や苔の素朴な美しさは、我々行く者達の目を十分に楽しませてくれた。
特にウィルソン株が素晴らしかった。豊臣秀吉の命令で伐採されたと言われている有名な切り株である。休憩ポイントの一つにもなっているのだが、この切り株の下は空洞でトンネル化しており、その中に入って上を見上げると、天井が抜けていて、その中から覗ける屋久島の自然は、太古の趣がなおさら感じられ、何時間そこに居ても飽きることの無い気がした。
また見上げる場所と角度によっては、天井の抜けている形がハートの形の様に見え、女性登山者からの評判が良いらしい。
木そのものの主要な部分は既に切り倒されているので、どんな木であったかはわからないが、切り株に見られる年輪などから察するに、現存する屋久杉よりはるかに立派だったと言われているらしい(だから伐採されてしまったのだが)。
そんな木を切り倒す時の木こりは、どんな気持ちで、どんな段取りで臨んだのであろうか。
畏れ多いと悲しみ嘆いたのか?これは儲かると思いワクワクしたのか?準備は順調にいったのか?倒す方向はどのくらい時間を掛けて決めたのか・・・?
そのような事を思い巡らしていると、周りの静けさも相まって、本当に当時にタイムスリップしたような気分になってくる。
とはいえウィルソン株ばかり構っていられない。目的は縄文杉にお目見えすることである。我々は登山を再開した。そこからは最後の上り急勾配の行程が残っていた。途中、メンバーの一人が足の攣りを訴えリタイアするトラブルが発生したが、そのメンバーにはウィルソン株で途中待機させ、残った者達で縄文杉を目指した。
また、昼食を取った時はさらに天候が崩れ、食べている弁当が水浸しになるといったこともあったが、めげずに歩を進めた。するとそれからは目的地に近づくにつれ晴れ間が見え出し、雨も上がり、急にコンディションが良くなってきた。
こうなれば疲れたのどうだのと言っていられない!上がる息を必死で押さえ、最後の道をよじ登った。
そしてついに我々はたどり着いた。そこには2千年以上前から存在している怪物杉が立ちはだかっていた!
人だかりが出来ている。歓声が上がることもあった。
縄文杉の周りの展望柵で登山者達が記念撮影をしているのだ。
現在は縄文杉の保護を目的に、展望柵が設けられ、そこから木を望むしか出来なくなっている。
我々も「よい戸の日」のノボリを掲げ、縄文杉をバックに記念撮影をした。
そして、そこで下山までの時間、縄文杉をじっくり眺めることが出来た。
現存する屋久杉の中でも最大といわれている木である。樹齢は2100年から7000年ともいわれており、定かではないらしい。幹周約16m、樹高約30m。 見た目はズングリムックリで、表面はデコボコしているが、その存在感は凄いの一言で、周りの木々を支配する様にそびえたっている。
幹の中心部は中腐りしており、空洞らしいが、間違いなく生き続けている地球の生き証人であり、正に神木といっても過言ではない。
登山者達の辿り着いたという達成感で、活気あふれる現場は、ウィルソン株の所のような静けさはなく、趣は半減しているが、平均寿命が80歳程度の人間には、到底辿り着けない領域の存在を前にし、そんな木という物を生活の糧にしている我々建具に携わる者として、もっと畏れる気持ちをもって木に接すべきではないかと感じた。
そして、我々は縄文杉に別れをつげ、帰路についた。しかし、下りとはいえ、22キロに及ぶ行程の半分が残っている。まだゴールまで4時間はかかる。油断は許されない。途中待機していた仲間と合流し、笑う膝と格闘しながら、必死で歩いた。
途中、昔の伐採者の休憩場所であったと思われる広場でゴミ拾いを行い、なんとか我々はゴールした。皆の顔は疲労にまみれているとはいえ、晴れ晴れとしていた。この経験は他の何事にも変え難い貴重な宝として、我々の中で生き続けるであろう。
「よい戸の日」の活動の一環で企画された旅行であったが、ボランティアというよりかは、我々自身の方が得るものの多い非常に思い出に残るイベントであった。
この様な機会に恵まれた事に、ただひたすら感謝したい。 以上
報告記入者
奈良支部副部長 平尾 和也
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